土田システムの解明 その2
前回挙げた「土田システム」とは別に土田先生は トイツ手の特徴として著書「最強麻雀 土田システム (マイコミ麻雀BOOKS) 」P64に「相似形になりやすい」を挙げています。具体的には「マイコミ麻雀文庫 土田システム 麻雀が強くなるトイツ理論 」のP186に3つの例を挙げています。
「並びトイツ」「跳ねトイツ」「二色トイツ」です。
それぞれを1つずつ見ていきましょう。
まずは「並びトイツ」からです。
手中にとかのように同色でトイツが並びで入っている場合、その他の色でも同ように並びトイツが生まれやすい・・・この並びトイツはツキが自分から離れはじめた頃に作動しやすい・・・とのことです。
さぁ、ここから何を読み取りましょう? 今まで筋牌の大切さについては何度も繰り返されてきました。そこから逆説的に考えてみましょう。Aさんが「七対子(チートイツ)・クロスカウンター打法」にしたがってと筋を固めることに成功したとします。Bさんの手にはとあり-を引いてのシュンツ手を考えていましたが、Aさんが固めて持っているのでなかなかそれが完成しません。やがてを引いてBさんの手はとなります。これが並びトイツ発生のメカニズムになります。
土田先生は「並びトイツはツキが自分から離れはじめた頃に作動しやすい」とおっしゃいましたが、確かにシュンツ手を目指しているBさんにとって、からのツモはツキが離れはじめたと感じさせるに十分でしょう。
さらにAさんは「七対子(チートイツ)・クロスカウンター打法」で打っているので、他の色でもと筋牌を固めているかもしれません。するとBさんのという手はそこからを引いてシュンツを完成させるのではなく、と並びトイツになる確率の方が高くなり、並びトイツが並びトイツを引き寄せる現象が起こるのです。
つまり「筋トイツ」は積極的に狙いに行っての結果ですが、「並びトイツ」は場の流れに翻弄されての結果とも言えます。トイツ場においては本来とあればを切るのが手筋ですから、場に対応できているなら並びトイツは生まれないはずです。その意味でも「並びトイツ」が生まれてしまった場合、後手を踏んでいることを自覚しながら別の並びトイツ完成を狙うことでトイツ場に対応する、ということでしょう。(本当か?)
次は「跳ねトイツ」です。
手中にとかなどのように三段跳びのような形で生まれるパターンと、単純にとのように違う色でカンチャンターツが生まれるパターンがある。ツキが完全に離れてしまった時間帯におけるトイツ作りには欠かせぬシステム・・・とのことです。
まずの三段跳びパターンから見ていきますと、このような形になることは「七対子(チートイツ)・クロスカウンター打法」においてはなかなかないことがわかります。となった場合は、を重ねなくても・・・が孤立傾向にあることがわかるので、切りが手筋です。
となった場合も同ように切りが手筋です。ならは即切るという牌ではありません。しかしからは切りが手筋ですし、からは切り(この場合は切りとの優劣は微妙)なので、の形が残ることがそもそもないのです。つまりこの三段跳びパターンはトイツ場に対応していたら完成しないわけですから、狙って作るものではありません。
とのパターンについても同様です。土田システムに「リャンメン部分がトイツになったら、即リャンメン部分を拒否して隣を捨てる」とありましたが、カンチャンも基本的にはそれに準じます。重ねられた際に孤立牌がより多くなるように残すのが「七対子(チートイツ)・クロスカウンター打法」の基本手筋ですので、たとえばとあれば切りになります。
また、重ねられた際に孤立牌がより多くなるという意味では、カンチャン部分はリャンメン部分よりは有用です。しかし筋牌ほど有用ではありませんので、たとえばとあれば切りになります。つまりトイツ場に対応できているなら「跳ねトイツ」を待つ形自体になりにくいのです。よって仮に偶然が重なってとなったとしても、他色でとある場合の・はすでに切られているはずなのです。
まとめますと「跳ねトイツ」が完成するということは、大きな偶然かあるいはそのほとんどが手順ミスによるものなのです。土田先生は「ツキが完全に離れてしまった時間帯におけるトイツ作りには欠かせぬシステム・・・」とおっしゃっていますが、これは逆説的表現で、「跳ねトイツ」が完成してしまうのは「トイツ場に対応できていない」、もしくは「手順ミスがある」ということなので、今の自分にはツキがないと思って慎重になりなさい、ということなのです。(違うかも知らんけど・・・)
最後に「二色トイツ」です。
三色同刻の遠い親戚みたいなもので、たとえばと手にあるときとあればやもトイツになりやすいオカルトっぽい原理・・・上昇気流に乗っているときのトイツ手に出現しやすい。
とのことです。(オカルト・・・って言っちゃってるよ・・・(;´Д`))
これは今までのものと比べてわかりやすいです。
たとえば自分の手にとある場合、相対的に他家の手にはそれらの牌は少なくなります。すると他家の手づくりは〜・〜を使ったものが多くなります。シュンツで考えると「456」「567」「678」「789」の四種類しかありませんので、自然と二色のシュンツ構成が似たものになります。そうなれば自然と狙われやすい役の1つに「三色同順」があるでしょう。
さらに自分の手にがあれば、他家の三色同順は自然と「456」「567」「678」に狙いが定められます。するとやは切られやすい牌になり、場に出ていなければ山にあると読めるのです。
さらに言えば同様の理屈でとあれば(・も)」も読みやすい牌になります。土田先生がおっしゃる「相似形になりやすい」はこういう点でも当てはまるのです。
また「二色トイツ」は相手に三色同順を狙わせることで手を制限させるので、手の進みを遅らせることにもなります。
「上昇気流に乗っているときのトイツ手に出現しやすい」と土田先生はおっしゃっていますが、これは「二色トイツ」があることで山にあるかどうか読みやすい牌ができるし、トイツ手にとって有利な遅い展開になる可能性が高いため、自分が上昇気流にあると思ってあせらずじっくり行けばよいということなのです。(たぶん・・・ね)
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