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序盤役牌単騎リーチの考察

【序盤七対子(チートイツ)リーチの準備】
山にできるだけ多くある牌を待ちに選ぶ
他家が不必要になりやすい牌を待ちに選ぶ


これら2つの準備についていろいろな牌の種類ごとに考えてみましょう。 前回のオタ風牌に続きまして、今回は役牌です。

さて場風を含む役牌はオタ風牌と同じような考えでよいのでしょうか? 0枚見えオタ風牌はその不用性から基本的には山に3枚あると見てよいとしましたが、役牌はそうとは言えないようです。重ねることさえできれば後はポンするだけで役ができますし、もちろん状況や手牌のその他の部分との兼ね合いによりますが、他家に対しての絞りを考えてもまずオタ風牌よりは役牌は後に切られることが多いです。

同様の理由により役牌は孤立数牌よりも後に切られることも多くあります。守備的に構える人なら好牌先打の際に残される牌が役牌になることも多いのではないでしょうか。つまり0枚見え役牌に関しては必ずしも山に3枚あるとは言い切れません。「山に多くある牌を選ぶ」という1つ目の準備が不完全になっているのです。

ではもう1つの方の準備である「他家にとって不要な牌を選ぶ」に関してはどうでしょう。ポンして役ができるというのはかなり魅力です。手牌に1枚しかない場合それを重ねることは難しいですが、そこさえクリアすれば一役が計算できるので特にクズ配牌のときなどは残される傾向にあります。するとこちら側の準備に関しても不完全になっているようです。

しかしよく考えてみれば、孤立役牌が他家にとって不要牌にならないケースというのはクズ配牌のときが多いのですから、その立場でリーチをかけられたことを想像すると案外そのリーチは悪くないかもしれません。というのもクズ配牌ですから和了りは半分諦めています。となればベタ降りです。現物が無くなれば頼るのは「壁」「筋」「字牌」になります。役牌の場合それで振り込むと1役プレゼントしてしまうことがありますのでやや後回しになるかもしれませんが、無筋牌よりは切られやすいと思われます。

ちなみに「科学する麻雀」p199〜によれば「現物>単騎字牌>>筋1・9牌>単騎以外字牌>筋2・8牌>筋3・8牌>ワンチャンス・・・」となっています。これに丸々則って降りてくれるのなら出和了りの期待は持てそうでしょうし、もちろん好配牌(タンピンができそうって意味ね)時の孤立役牌は不要牌以外の何者でもありませんから切られやすいでしょう。

また当たり牌を抑えられた場合も、その役牌を握っている他家の和了をつぶしたと考えると最低限の成果をあげられたとしてもよいでしょう。山にある2枚の役牌がまた別の他家のもとに行ったとすれば2人、さらに最後の役牌がさらに別の他家にもとに行ったとすれば全員の手をつぶしたことになります。他家がもともと持っていた孤立役牌を重ねられてしまった場合でも、そこからポンの可能性がありませんから和了につなげるのは難しそうです。その他家に3枚目をツモられるととたんに和了り目が出てきますが、その可能性は無視してかまわないほど低いと言ってよいでしょう。

しかしなおよく考えてみると、言うまでも無く七対子(チートイツ)は単騎待ちですから待ち牌のうち1枚を他家に持たれているとすると、山にあるのはわずか2枚です。するとこれはそう簡単にツモることはできません。簡単にツモることができないということは無駄ヅモを重ねることが想定できるということです。無駄ヅモが続けば当然安牌が増えます。

「科学する麻雀」のベタ降りリストによれば「筋1・9牌」の次、「筋2・8牌」の前に切られることが期待されますが、それはオタ風牌を含めての話です。役牌の生牌に限定して考えてみると、「筋2・8牌」はもちろん「筋3・8牌」との優劣も難しいでしょう。そうなれば安牌の範囲も広がり、ますますこの序盤役牌リーチの決着が遅くなります。そして決着が遅くなればなるほど他家にとって生役牌の危険度が上がり、結果として出和了の期待ができなくなるかもしれません。

さらに序盤役牌リーチは1人ないし2人、運がよければ他家全員の和了目をつぶすことができるとはいえ、逆に運が良くなければ1人ないし2人の反撃を喰らう可能性が十分あるとも言えます。そして実際に反撃を喰らった場合こちらの待ちは単騎ですから、かなり分の悪い勝負となってしまいます。

ここで逆に「序盤0枚切れ役牌リーチ」にとってよい条件を付け加えてみましょう。

切られていない役牌の種類が多い
・・・他家が役牌を絞ろうとするならそれだけ手をつぶす可能性が高まる。
自分が親番
・・・振り込むと大打撃を受けてしまうかもしれないので、降りる可能性が高い? 東場ならなおさら?
自分以外の三家が接戦
・・・振り込みたくないから降りてくれる? 南場ならなおさら? でもオーラスは違うか・・・

つまり「序盤0枚切れ役牌リーチ」はメリット・デメリット双方あって、積極的にすべきものではないといえるかもしれません。むしろダマにしておいてオタ風牌と入れ替えるなり、1枚切れの役牌などと入れ替えるなりしてからリーチといくのがよいのではないかと思われます。結局何が言いたいかというと、0枚見え役牌での「序盤役牌リーチ」は2つの準備の両方が不完全ということです。上記のような状況があって他家が降りてくれるならいいけれど、そうでないなら自重するのがよいのかなぁ・・・というのがσ(´I `*)の結論です。

次回は壁の外側リーチについて・・・か、序盤に切られた牌のそばリーチのどちらか、あるいはそれらとは違うことについて書きたいと思います(・∀・)


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