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牌効率はループしているのか(トイツ場概論5)

 物事の真の姿に到達する道は2つあります。1つはそのもの自体を深く研究すること。もう1つはそれに対する、あるいはそれに類するものから推測することです。たとえば「バイク」を知らない人がいるとします。「自転車」の形で「自動車」みたいにガソリンで動く・・・と説明するのが、後者のアプローチです。

 さて「トイツ系牌効率」について、その後者のアプローチで今は迫っているのですが、「シュンツ系牌効率」「一般的牌効率」からその姿が見えてきたもののまだ不完全でしょう。なぜなら「アンコ(コーツ)系牌効率」側から考察がなされていないからです。とはいえその「アンコ(コーツ)系牌効率」自体が謎では、そこから推測するもなにもありません。そこで、今見えている「トイツ系牌効率」の姿から「アンコ(コーツ)系牌効率」の姿を映し出し、それをもとに「アンコ(コーツ)系牌効率」の姿をより実体化していきます。そしてそこから逆輸入する形で「トイツ系牌効率」の姿を浮き出させていこうではないか、というのが今回の企みであります。

 かなりの困難が予想されますが、道なき道を進むにはそれは当初から想像できていたこと。この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ危ぶめば道はなし踏み出せばその一足が道となりその一足が道となる迷わず行けよ行けばわかるさ。ありがとー!

ちなみに前回までの話ではこうなっていました。

【シュンツ系牌効率】 【一般的牌効率】 【トイツ系牌効率】
・出和了目的
・自分の捨牌
・三色・一通・チャンタ
・和了目的
・自分の手牌
・タンヤオ・役牌
・ツモ和了重視
・他家の捨牌
・七対子(チートイツ)

 この流れで分かりやすいのはベース役でしようか。「アンコ(コーツ)系牌効率」のベース役として真っ先に思い浮かぶのはやはり「四暗刻」でしょう。そして和了についてですが、上記の流れから考えて「ツモ和了目的」と予想されるでしょう。そしてそれはこの「四暗刻」というベース役から考えても自然だと思われます。というのも一般的な四暗刻の聴牌形であるシャンポン待ちではツモらない限り四暗刻にはなりません。そのため出和了を避けるためにあえてリーチをかけることもよくある話です。

 この「ツモ和了目的」と「四暗刻」が「アンコ(コーツ)系牌効率」について分かっていること・・・と思われてきました。しかしそれこそが「罠」である、と前回私は述べました。実は「ツモ和了目的」と「四暗刻」は「アンコ(コーツ)系牌効率」の本質ではありません。今は置いておきましょう。

 最初の問題は「アンコ(コーツ)系牌効率は、なにを根拠とするか?」です。これは「自分の捨牌→自分の手牌→他家の捨牌」という流れだけ見ていると分からないでしょう。そこで別方向からのアプローチが必要です。「アンコ(コーツ)系牌効率」自体を、具体的な牌姿をもとに考えるのです。四暗刻に向かうためトイツを残して両面搭子を切って行くとき、それの根拠としているものは何なのか? それは「自分の意志」となるはずです。

 この「自分の意志」は先ほどの「自分の捨牌→自分の手牌→他家の捨牌」の流れにはまったく当てはまりません。次元が別のものです。そこでこの「意志度」をもとに、もう一度すべての牌効率を見直してみましょう。

【シュンツ系】 【一般的】 【トイツ系】 【アンコ(コーツ)系】
意志度70 意志度10 意志度30 意志度90

 値は適当ですが、大まかにこのようになるのではないでしょうか? ここで注目するのはこの数値の推移です。シュンツ系牌効率では高い値なのが、一般的牌効率になるとグッと下がります。そこからトイツ系牌効率に向かうとまた上がり始め、アンコ(コーツ)系牌効率になると、その値は最高値に達します。グラフにして見ると y=cos(θ-p) のような形になります・・・ということは?

【シュンツ系】→【一般的】→【トイツ系】→【アンコ(コーツ)系】→【シュンツ系】→【一般的】・・・ という可能性は考えられないでしょうか?


 この考えは一見荒唐無稽ではありますが、牌効率はループしていると考えると前述の
【シュンツ系牌効率】 【一般的牌効率】 【トイツ系牌効率】 【アンコ系牌効率】
自分の捨牌 自分の手牌 他家の捨牌

の謎も解けるのです。つまり「アンコ(コーツ)系牌効率」が根拠とするのは「自分の手牌」であり、これもまた「自分の捨牌」→「自分の手牌」→「他家の捨牌」→「自分の手牌」→「自分の捨牌」→「自分の手牌」・・・のループ構造になっているのです。


 これが前回私が言っていた「シュンツ場→混合場→トイツ場→アンコ(コーツ)場」は2次元の一直線だと考えていたのですが、実は3次元での一直線だった、という話です。イメージとしては「球」の表面に描かれた直線です。それは2次元視点で考えると円になります。つまり「アンコ(コーツ)場」の向こう側は壁になっているのではなく、ぐるっと回って「シュンツ場」になっている可能性があるのです。

 これで牌効率世界の大まかな姿があらわになった・・・と思われたのですが、実はまだ「罠」を回避できていないのです。「アンコ(コーツ)系牌効率」もう1つのベース役である「対々和」についての考察が終わらないことには、真の牌効率の姿は見えないのです。


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