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カンチャン塔子と「3・7牌」

今回はカンチャン塔子と「3・7牌」について考察してみたいと思います。

なぜカンチャン塔子と対抗するのが「3・7牌」かというと、4トイツ時(七対子(チートイツ)中期)の3・7牌にあるとおり数牌の中で鍵になるのが「3・7牌」だからです。ということで1萬3萬3筒3萬5萬3筒2萬4萬3筒、この3つの例を考察します。

「現代麻雀技術論」ではこうあります。

赤ドラを考慮すれば、内カンチャンは46>35,57、外カンチャンは24,68>13,79。聴牌時の待ちは端にかかったほうが和了しやすいので赤無しなら逆になる。外カンチャン以上の搭子は3〜7を含むので孤立3〜7の上位互換・・・

ということで「現代麻雀技術論」的に考えれば、赤ドラがある場合1萬3萬3筒3萬5萬3筒2萬4萬3筒からは、すべて3筒切りということになります。

少しややこしいのが赤ドラがない場合です。その場合「13>24」になるのですから、2萬4萬3筒からどれを切るかが上記の「現代麻雀技術論」の記述だけではわかりません。そこで少し話をもどしてペンチャン塔子」と「単独牌」の比較にでてきた、1萬2萬3筒の形を思い出してみましょう。「現代麻雀技術論」では「基本的にペンチャン>3〜7」とあります。単にこれに従えば当然ペンチャンよりもカンチャンのほうが価値は高いですから、2萬4萬3筒からは3筒切りということになるでしょう。

ということで、赤ドラがあろうが無かろうが、1萬3萬3筒3萬5萬3筒2萬4萬3筒からはすべて3筒切り・・・と結論付けてしまうなら何のための七対子(チートイツ)研究(?)なのかわかりません。ペンチャン塔子」と「単独牌」の比較にも書きましたが、現代麻雀技術論」では「基本的にペンチャン>3〜7」の記述に続けて「ただこれは他の形や河の状況によって変化することが多い」と書かれてあります。そこからトイツ場に軸足を置く「七対子(チートイツ)・クロスカウンター打法」においては「3・7牌」>「ペンチャン塔子」という結論をだしたわけです。

そこで2萬4萬3筒での3筒の扱いを見分けるために必要なことは、2萬4萬1萬2萬の差の程度を見分けることになります。まず2萬4萬1萬2萬も同じ3萬という1種類の牌によってシュンツが完成します。この点において差はありません。差が出るのは2萬4萬から5萬がきたときで、そこで2萬を切り4萬5萬というリャンメン塔子にレベルアップします。1萬2萬からは4萬がきても、1萬を切って2萬4萬というリャンメン塔子の一歩前の段階になるのみです。

差がついた後の4萬5萬2萬4萬ではシュンツが完成する牌の種類が2種類と1種類ですので明らかに4萬5萬2萬4萬です。そこからその前段階の2萬4萬1萬2萬といえるのですが、その差は果たして4萬5萬2萬4萬ほど大きいものなのでしょうか? レベルアップした後の形には差がありますが、その前段階の形だけでは差がないといえないでしょうか?

2萬4萬1萬2萬であるならペンチャン塔子」と「単独牌」の比較にあるとおり2萬4萬3筒となりますので2萬4萬から1枚切ることになります。2萬4萬の優劣ですが七対子(チートイツ)初期においてはトイツ場傾向の把握という点で2萬4萬です。つまり2萬4萬3筒からは2萬切りという結論です。もちろんここから5萬がきて4萬5萬3筒となれば、そのときは3筒切りになります。2萬切りはこのリャンメン塔子への変化の含みを残しておくという意味もあったのです。

さて思い返してみるとこの話は赤ドラなしの話でした。しかし、2萬4萬3筒から2萬切りという判断において赤ドラの存在はほとんど影響していません。つまり赤ドラがあろうが無かろうが2萬4萬3筒からは常に3筒切りなのです。では赤ドラありの設定ではどうなるのか、もう一度見直してみましょう。

「現代麻雀技術論」では赤ドラありは2萬4萬1萬3萬でした。確かにドラの赤5萬を面子に組み込みやすいのは2萬4萬の方が上なのでその優劣になるでしょう。では1萬3萬3筒からは1萬切りなのでしょうか?

単純に牌ごとの比較をしてみましょう。まずトイツ場傾向の把握という点で1萬3筒そして1萬3萬です。そして塔子重視の点では3萬3筒となります。単純に考えれば1萬3萬3筒から1萬切りとなりますが、よくよく考えて見ますと3萬3筒となっているのは1萬があるからです。その1萬がなくなってしまうとフリテンの可能性も出てきますし、孤立させられる牌の数が1枚少ないわけですから3萬3筒となってしまいます。

つまりこの1萬は単なる単独「1・9牌」よりも重い牌になるのです。そこでやはり1萬3萬3筒からは塔子重視の法則からも3筒切りがやや優位になるでしょう。しかしこの差は微妙ですのでトイツ場傾向が明らかに感じられるのなら3筒残しも1つの手かもしれません。

そうなれば3萬5萬3筒については、3萬5萬からリャンメン塔子への変化が十分見込まれるので、明らかに3筒切りが優勢になります。

まとめますと

2萬4萬3筒からは2萬1萬3萬3筒からは3筒3萬5萬3筒からは3筒ということです。

ここでややこしいのは2萬4萬1筒3筒7筒から何を切るかということです。候補は2萬7筒あるいは1筒でしょう。つまりジャンケンの「グー」「チョキ」「パー」のように2萬4萬1筒3筒7筒が三すくみの状態になってしまっているのです。

さてここでようやく前回の七対子(チートイツ)初期における字牌の扱いで最後に書いた話になります。

2萬4萬1筒3筒7筒から2萬を切るなら特に問題ありません。これは七対子(チートイツ)クロスカウンター打法の手筋ですから、ひき続き軸足をトイツ場におきつつも柔軟にシュンツ場にも対応できる打ち方になります。

7筒を切ろうとするなら少し待ちましょう。この7筒切りは軸足をトイツ場ではなくシュンツ場に移す意志を明確に示すものです。であるならば先に処理すべき字牌があるのではないでしょうか? 前回の最後に書いた「自分の手の進行状況によって「オタ風牌」「役牌」が押し出されることもあります」というのがこのことです。

また1萬3萬3筒からの3筒3萬5萬3筒からの3筒も同様の扱いです。つまり七対子(チートイツ)クロスカウンター打法において「三・七牌」を切り出すというのは、七対子(チートイツ)クロスカウンター打法から通常の打ち方に転換することを意味するのです。


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